慶應義塾大学三田メディアセンター

重要文化財

慶應義塾図書館の貴重書室では、5件の重要文化財を所蔵しています。

後鳥羽院御抄并越部禅尼消息  一帖  観応2(1351)年写 
(書跡・典籍の部、昭和49年6月8日指定)


 
鎌倉末南北朝時代の歌壇の第一人者である頓阿(1289~1372)が、「御鳥羽院御抄」と「越部禅尼消息」を書き写させて合本にし、巻末に自筆の奥書をつけたものです。「後鳥羽院御抄」とは後鳥羽院が和歌作法や当時の歌人批評を記したもので、「越部禅尼消息」は藤原俊成の養女である越部禅尼が藤原為家にあてた歴代勅撰和歌集の論評で、ともに鎌倉時代の代表的な歌学書です。本書は最古写本として中世文学史上重要な資料とされています。


大かうさまくんきのうち(太田牛一筆)  一帖 慶長年間写 
(書跡・典籍の部、昭和49年6月8日指定)



 

「太閣様軍記の中」と題する本書は、信長・秀吉に仕えた太田和泉守牛一がその著作「太閤軍記」から一部を抜粋し、書写した原装の著者自筆本です。慶長15(1610)年前後の成立と推測され、数多い太閤軍記の中の現存最古本となっています。著者の見聞をもとに秀吉の功業を記してあり、近世史・文学史上とても貴重です。


相良家文書  千二百五十三通、三十巻、八十四冊、一帖、二十一鋪
附  鎧小札残欠(伝相良長頼所用)  二百九枚   鉄二枚胴具足残欠  二枚
(古文書の部、昭和52年6月11日指定)


 

相良家文書
相良家文書とは、九州人吉の相良家に伝来した古文書約1400点です。内容は、代々の相良氏に宛てられた手紙や、朝廷・幕府からの命令書、また相良氏より諸方面に出された手紙類の下書きなどです。相良家は鎌倉時代から人吉に所領のある武家で、南北朝時代、室町時代、戦国時代を経て、江戸時代には人吉2万2千石の大名となり明治維新まで続きました。同じ地に700年余りも家が続くことは日本史上珍しいことです。文書はその歴史を具体的に伝えるもので、特に日本中世史研究上価値が高い史料です。


解剖存真図 (南小柿寧一筆)  2巻 江戸後期写 彩色 
(歴史資料の部、平成15年5月29日指定) 


 

解剖存真図
 淀藩の藩医を勤めた南小柿寧一(1785?~1825)が制作した彩色の人体解剖図集です。寧一はオランダ医学を学び、「重訂解体新書」の附図制作なども担当しました。この解剖図は40体以上の解剖に参加して一屍ごとに一臓器を観察した実見の成果と西洋解剖学からの知識に基づく実証的な解剖図で、19世紀前半に日本人によって描かれた最高の解剖図と言われています。序や跋には当時の著名な蘭学者が賞賛を寄せ、この図を見たシーボルトも賛辞を書き込んでいます。


対馬宗家関係資料 八百九十五点 江戸~明治時代 
(歴史資料の部、平成20年7月10日指定)


 

対馬宗家関係資料
江戸時代、朝鮮国との外交・貿易を独占的に担った対馬宗家において作成された古文書・古記録です。外交交渉では故事先例が重視されるため、宗家は非常に多くの記録を残しました。本資料は宗家の江戸藩邸において作成・保存されたもので、朝鮮通信使来聘の計画段階から帰国までの様子を詳しく伝える『朝鮮通信使記録』が最もよくまとまっており、その他『朝鮮往復書』『毎日記』等の記録類が含まれています。江戸時代の外交を知る上で価値が高い資料です。