慶應義塾大学三田メディアセンター

第24回 ルカ・パチョーリの『スムマ』から福澤へ-複式簿記の伝播と会計の進化

第24回慶應義塾図書館貴重書展示会
「ルカ・パチョーリの『スムマ』から福澤へ-複式簿記の伝播と会計の進化」


会期:2012年10月24日(水)~10月30日(火)  (終了しました)
会場:丸善・日本橋店3階ギャラリー 
9:30~20:30  最終日17:00閉場   入場無料
主催:慶應義塾図書館  協賛:丸善株式会社

明治初期、福澤諭吉訳『帳合之法』の二編などによってわが国に紹介されたのは複式簿記でした。「イタリア式簿記」とも称されるこの簿記は中世ルネサンス期 のイタリアに生まれ、数学書『スムマ』などをもってネーデルラントやイギリスに伝播、資本主義経済の発展と会計の進化を支えました。本展示会はこの伝播の 軌跡を辿ります。

友岡賛(慶應義塾大学教授)によるギャラリートーク 10月26日、27日 両日とも14:00~14:20

第24回展示会ポスター


主な展示資料

福澤諭吉訳『帳合之法4巻』 1873-1876年

日本で初めに出版された西洋式簿記書で、アメリカで広く用いられていた教科書を翻訳したものです。福澤諭吉は、原書の横書きアラビア数字に替えて、漢数字 と〇(ゼロ)を併用した十進表記による縦書き帳簿を考案しました。この十進記数法はのちに続く簿記書に取り入れられました。数々の巧みな訳語は注目に値し ます。訳者の序では、「古来日本国中に於て、学者は必ず貧乏なり」とはじまり、簿記を学ぶことの意義を啓蒙的に説いています。のちに書かれた『福澤全集緒 言』には、「著訳書中、最も筆を労した」と書かれ、翻訳のきっかけや苦心した点などが綴られています。
帳合之法


福澤諭吉自筆草稿「帳合之法」

帳合之法自筆草稿


ルカ・パチョーリ『スムマ』(算術、幾何、比、および比例大全) 初版 1494年

複式簿記について述べた最古の書。著者ルカ・パチョーリは中世イタリアの数学者にして修道僧で、ダ・ヴィンチと親交があったことでも知られています。ル カ・パチョーリは本書で、当時のヴェネツィア商人によって行われていた簿記を体系化して紹介し、その後の複式簿記の伝播に大きな影響を与えました。初版に は3種類の異版があり、本書は初版第1刷です。
スムマ